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今回は、広島市安佐動物公園(以下安佐と表記)で飼育されているゾウたちと、その住まいについて紹介します。
今年2月、約4年半ぶりに訪れました。
安佐では、マルミミゾウ(Loxodonta cyclotis) を日本で唯一飼育し、更にサバンナゾウ(Loxodonta africana) との比較展示もございます
今回はそんな安佐で暮らすゾウたちの紹介と、飼育施設の紹介をします。
はじめに
安佐は西日本最大級の動物園で、広島市の郊外にある広大な丘陵地帯に位置しています。
アフリカやアジア、そして日本の生き物たちを中心に、広大な敷地で生き生きとした姿や、彼ら本来の群れ生活や単独生活などを見られるのが特徴です。
クロサイの運動場。巨体をもち、広いスペースを必要とする彼らにとっても十分なスペースがあります。
更にその利点を生かし、絶滅危惧種を始め多くの種の動物たちの繁殖にも力を入れています。
その中でもオオサンショウウオ(Andrias japonicus) とクロサイ(Diceros bicornis) 、グラントシマウマ(Equus quagga boehmi) は日本有数の繁殖実績があります。
左からオオサンショウウオ、クロサイ、グラントシマウマ。
希少動物の繁殖に特に功績のあった施設に対して送られる「古賀賞」を受賞しています!
古賀賞の詳細についてはこちらのURLをご覧ください。
継続的な繁殖に成功しており、国内外の他の施設でもここ生の個体が各地で活躍しています。移動した個体が新たな命を繋ぎ、国内外の個体群の維持に大きく貢献しているそうです。
安佐ではこれまで8個体のゾウを飼育してきており、そのうち6個体がサバンナゾウ、2個体がマルミミゾウです。
全世界の動物園で飼育されているマルミミゾウは3個体しかおらず、そのうち2個体がここで飼育されています!
マルミミゾウについての詳細は過去記事を是非ご覧ください。
1.個体紹介
現在、サバンナゾウのオス1個体と、マルミミゾウのオスとメス1個体ずつ、合計3個体が飼育されています。
まずは、オスのサバンナゾウのタカ(1991~)。
1991年5月29日に、兵庫県にある姫路セントラルパークで生まれました。
父親はヒロ、母はワタ。(現在はどちらも他界してしまいました。)
国内に3個体しかいないオスのうちの1個体です。
特徴は3個体の中で最も大きな体躯と、2本の立派な牙。
手前にいるマルミミゾウのメイと比べると、2周り以上大きいことがわかります!
性格は普段は穏やかで、柵越しにいるメイからの遊びにも応じることもあります。園内のサインによると、力持ちで、巨大な丸太を軽々と持ち上げてしまうほどなのだそうです。
しかし、オスゾウ特有の生理現象「マスト」の時期になると、彼も例外に漏れず荒ぶることも。
現在日本生れのサバンナゾウは彼を含め5個体いますが、彼が最年長で毎年その記録を更新し続けています。
最後はオスのマルミミゾウ、ダイ(1999~)。
ダイとミミは相性良く繁殖が期待されていたようですが、2013年にミミが病気で亡くなった後は彼だけになってしまいました。(秋吉台時代の彼については過去記事をご覧ください。)
そのため、安佐にいるメイとの繁殖を試みることになり、2022年に来園しました。
性格は穏やかな性格で飼育員さんが大好きなようです。健康管理のためのトレーニングにも積極的に参加するなど勤勉なところもあります。
柵越しに足を出す様子。こうすることで蹄や足裏のお手入れが出来るようになります。
メイとの相性はよく、昨年12月には遂に交尾が確認されました!
その2 ゾウたちが暮らす場所
彼らが暮らすゾウ舎は、正面ゲートから歩いて約数分のところにあります。
こちらがゾウ舎の左側。クロサイやアフリカスイギュウ(Syncerus caffer) がいるエリアから見た様子。
手前側の広い運動場と、プールの向こう側にある運動場と2つあります。
普段は広い方の運動場にメイが、プールの向こう側にある運動場にタカが出ていることが多いです。
おまけ
ゾウ舎の壁面には、こんなスポットも!
等身大のサバンナゾウの壁画があります!1990年代に描かれたもので、当時飼育されていたオスのサバンナゾウ、キョウタ(1968~1992)がモデルだそうです。
なんと絵は当時飼育員をやられていた方が自ら描いたのだとか!
ゾウたちに触ることはできませんが、この壁画を通じてゾウたちの大きさや迫力も体感することができます!
記念撮影場所や待ち合わせ場所としてもおすすめかもしれません。
今回は安佐で暮らすサバンナゾウとマルミミゾウたちを紹介しました。
もし興味がございましたら、是非安佐に足を運んでくださると嬉しいです!
次回は、訪れたときに彼らが見せてくれたさまざまな姿を紹介していく予定です。
神山
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