東山の日本ゾーン ~ほっと落ち着ける場所~

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

先日からゴールデンウィークに突入しましたね!

この時期は、動物園や水族館、植物園、博物館を訪れる方が通常よりも多くなる季節。

私の住む東海地区ではさまざまな有名な動物施設がございますが、特に多くの方が訪れる場所のひとつが名古屋の東山動植物園だと思っております。

ゴールデンウィークなどお客さまの多い時期でも比較的落ち着くことができる一押しの場所が、園内最深部にある日本ゾーンです!!

今回はその日本ゾーンを紹介していきます。


目次

1.日本ゾーンについて

2.山の哲学者

3.四季折々の植物とほかの生き物たち


1. 日本ゾーンについて

日本ゾーンは、東山動植物園の園内の奥の方にございます。入園門は6つございますが、地下鉄「東山公園駅」からすぐの正門からは一番奥に位置しています。

ここではその名の通り、ニホンザル (Macaca fuscata) 、ニホンカモシカ(Capricornis crispus) 、ニホンリス (Sciurus lis) 、ホンドタヌキ (Nyctereutes viverrinus) など、日本に棲む生き物を見ることが出来るエリアです!


動物園というと当ブログでも登場するゾウ科やライオン (Panthera leo) などのイメージが強いですが、日本の生き物たちをじっくりと見られる機会も貴重なことだと思っております。

ちなみにこの4種は名古屋市やその近郊の自治体にも生息している種です!

また、長崎県の対馬に生息するツシマヤマネコ (Prionailurus bengalensis euptilurus) も東海3県で唯一見ることが出来ます!


絶滅が心配される彼らを環境省や他の施設と連携し、種の保存に積極的に取り組んでいます。

日本ゾーンは動物の飼育エリアの中では最奥にあるためか、他のエリアと比べるとお客さまの多い時期でも落ち着いています。
じっくりと生き物たちを見られるのと、四季折々の草花も楽しめる場所です。

今回は日本ゾーンのうちの一部をご紹介します。

2.山の哲学者

私が日本ゾーンでの一番のおすすめは、ニホンカモシカです!

「シカ」と名前がありますが、日本固有のウシ科の動物です。

ウシ科の中でもヤギやヒツジに近いグループとされています。

山岳地帯で佇む姿から「山の哲学者」の異名があります。

本州や四国、九州の森林や山岳地帯に生息しており、近年名古屋市守山区にある東谷山(とうごくさん)でも生息が確認されるようになっています。

しかし、彼らは単独生活をすることが多く、いつでも簡単に見つけられるわけではありません。

ここではそんな彼らを間近でじっくりと観察出来ます!

角の形や目の下にある「眼下腺」もしっかり見られます。


柵沿いには餌の枝葉が置かれています。


彼らの気分次第ですが、食べる姿もすぐ側で観察出来ます!

ここで暮らしているのはオスのゴローとメスのモミカ。

ゴローは短めの角と白い体色、モミカはゴローよりも長めの角と黒褐色の体色で見分けることが出来ます。

とても仲がよく、一緒に寄り添ったりする姿をよく見られます。秋~冬の繁殖シーズンにはゴローがモミカに積極的にアプローチする姿も。

現在ニホンカモシカは日本動物園水族館協会(JAZA)の動物飼育計画「コレクションプラン」において積極的に種の保存に取り組み、個体群管理をおこなう「管理種」に位置づけられています。

各地の施設で繁殖シーズンになると繁殖を目的としたカモシカたちの同居がおこなわれます。その中でも、これだけ仲のよいカモシカの雌雄はなかなか見られない光景だと思っております。

運動場には土管で造られた小さな山があり、そこで休む姿も!


立った状態でこちらを観察したり、座って反芻するなどの姿が見られたらラッキーです!


3.四季折々の植物と中くらいの生き物たち

日本ゾーンに、ホンドタヌキやホンドギツネ、ニホンアナグマを飼育する「日本産動物舎」があります。

彼らの運動場は植栽豊かで、季節によってさまざまな姿が見られます。

その中でも4月~5月頭が見頃なのが、こちらの花。


アヤメの仲間、シャガ(Iris japonica) です!

日本の低地や人里近くでも見られる植物で、白と青の花を咲かせます。

落ち着いたゾーンで、四季折々の草花を見るのも癒やされると思います。

屋外の運動場は種によって多少異なりますが、格子がなく、堀で仕切られた構造です。


こちらはホンドギツネのエリア。春に撮影したもの。緑豊かな運動場は季節によってさまざまな姿を見せてくれます。


茂みに隠れていることもありますが、探せばこんな風にいる姿を見つけることもできます!
見えないときはじっくり見ていると出会えるかもしれません。


室内は巣穴のようになっています。


夕方はこちらの部屋で食事をしたり休んでいることが多いです。昼間も開放されているので、屋外にいないときは室内にまわるとみられるかもしれません。

ホンドタヌキたちは、日本産動物舎に隣接する「タヌキの里」で多数の個体を見ることが出来ます!
里山を模した空間で、さまざまな姿を見せてくれます!



複数個体が飼育されているため、仲間同士のさまざまなやりとりがみられるのも魅力です。



更にここでは先述したツシマヤマネコのエリアも。


現地の対馬でも掲示されている「ヤマネコ注意」の看板が目印です!

屋外運動場で、小さくとも迫力ある彼らをじっくりと観察出来ます。


この個体は2017年に京都市動物園で生まれた勇希。これまで3個体の父親になっています。

昨年には対馬野生生物保護センターより、野生で怪我をして保護された個体が来園しました。


名前はベニースモ(Beny-Sumo)。性別はオス。名前の由来は発見者の方がベニーと名付け、「スモ」は対馬の洲藻(すも)地区で発見されたことに由来するのだそうです。

左前肢がないのが特徴で、イノシシやシカを捕獲する「くくり罠」に誤ってかかってしまったことが原因とされています。

一命を取り留めたものの、野生で生きていくことが難しいため東山に来た経緯があります。

詳しい経緯については園の公式ブログをご覧ください。

ツシマヤマネコ舎のすぐ側には、春に雪のような白い花を咲かせる木がございます。


この木の名前はヒトツバタゴ(Chinonanthus retusus) 。
別名はナンジャモンジャと呼ばれることも。

日本では対馬、長野、愛知県と岐阜県の限られた地域にしか自生していない珍しい樹木です!

春には花を見ながら、ゆっくりと動物たちを観察出来ます。

おまけ 落ち着いて休める場所

日本ゾーン内では、ニホンカモシカ舎やツシマヤマネコ舎の前にベンチがございます。


天気のよい日は、ここで座って動物たちを観察したり、食事を取るのもありかもしれません!

また、雨の日や暑い日、寒い日でも安心して休める場所もございます。


タヌキの里の横にある休憩所は、冷暖房完備で季節問わず快適に休むことができます!

また、ウォーターサーバーが常備されているため、水筒を持参すれば水分補給も楽々。

更に小上がりもあり、靴を脱いで足を伸ばしてくつろいだり、お子さんの憩いの場など、幅広く活躍する休憩所です!


今回は東山の日本ゾーンの一部を紹介いたしました。

よく行かれている方も、まだの方も、ほっと落ち着ける日本ゾーンへ是非訪れてみてください!

神山















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