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9月17日に、富山県にある富山市ファミリーパーク (以下ファミパと表記) を訪れました。
北陸地方を代表する動物園の1つで、キリンやレッサーパンダなどの人気動物もいますが、日本在来の動物たちを中心に飼育しています。
自然豊かな呉羽丘陵の中に位置し、園内にはムササビ (Pataurista leucogenys) やホンドタヌキ (Nyctereutes viverrinus) が暮らす里山の森林や、水鳥やトンボ類、サンショウウオ類が暮らす池など自然に恵まれています。
日本在来の生き物の公開や、園内の自然観察会などを通じて、身近な野生生物への興味関心を持ってもらう活動も積極的におこなっているそうです。
今回はそんなファミパの、ここがいいぞ!といったポイントに絞って紹介いたします。
その1 日本の動物をじっくり見られるのがいいぞ!
ファミパのメインは、日本在来の動物たち。しかし、彼らをじっくりと見られる機会はそう多くないかもしれません。
まずは、ニホンカモシカ (Capricornis crispus) 。
1984年の開園当初から飼育をしており、繁殖にも多数成功しているようです。
お次はニホンライチョウ (Lagopus muta japonica) 。
ライチョウの日本固有の亜種で、富山県では立山連峰の高山帯に生息し、県の鳥にも指定されています。地球温暖化の影響で生息環境が減少するなどにより、絶滅が心配されています。
こちらは、彼らが飼育されているライチョウ舎の展示室。
さらに、野生で彼らの餌としている植物も栽培しており、それを彼らに与えることで野生の栄養条件にも近づけているのだそうです。
日本の動物たちの中には、名前こそよく耳にすれど、実際見ることが難しい種も沢山います。そんな彼らが暮らすのが、「郷土動物館」。
ここでは、屋外エリアにタヌキなどの中型哺乳類が、館内にネズミ類やフクロウ類、ノウサギ、ムササビなどの夜行性哺乳類が飼育されています。
日本の動物に特化した展示館は他園でもあまりなく、珍しいのが特徴です。
夜行性の種が暮らすエリアは、昼夜を逆転させており、開園時間でも夜行性の彼らの行動を観察できるようになっています!
こちらは、トウホクノウサギ (Lepus brachyurus angustidens) の展示室。野生では臆病で素早いため、なかなか見ることができませんが、ここではじっくりと観察できます!
さらにもっと小さな動物もいます。
これはカヤネズミ (Micromys minutus) というネズミの一種。日本最小のネズミといわれています。野生では河川敷などの背丈の高い草原に暮らしているため、観察は難しいですが、ここではその愛らしい姿と、草の茎を器用によじ登る姿などを間近に見られます!
日本在来の動物は野生動物だけではありません。ヒトと共に歩んできた家畜もいます。
こうした在来家畜を間近に見たり、触れ合ったりすることができます!彼らは、外国産の品種の台頭で数を減らしていますが、ここではそんな彼らについて知ってもらうため、これらの動物たちのふれあいや観察を通じて、より知ってもらうための活動を積極的におこなっています。
生きている植物があることで、彼らがより快適に過ごせるようになっています。
その2 新施設「バードピア」がいいぞ!
今年9月に、新施設「熱帯鳥類館バードピア」がオープンしました!
ここでは、熱帯地域に生息する鳥たちが飼育され、自然に近い環境で観察できます。
館内は、南米、アフリカ、東南アジアの3つのエリアに分かれ、温度は25~30℃、湿度は80%と熱帯の環境を再現しています!鳥たちが隠れたり、巣材にしたり、かじって遊べるよう熱帯植物が植えられ、擬岩や擬木で自然に近づけています。
実際にそれらに隠れている姿も見られることも!
そんな彼らを守るため、他の動物園から個体を集め、繁殖に取り組んでいます!
南米のエリアでは、手前側に池を持ってくることで、水場で暮らすクビワコガモ (Callonetta leucophrys) を間近に見られるようになっております。
また、木々の配置も工夫され、間近に鳥たちを見られるようになっています!
東南アジアエリアには、絶滅が危惧されるムクドリの一種、カンムリシロムク (Leucopsar rothschildi) が飼育されています。生息地の森林破壊やペットとしての捕獲で絶滅寸前になりましたが、動物園で繁殖した個体を野生復帰する活動がおこなわれ、個体数が増加しています。
ここでの一押しは、アフリカエリア!
アフリカの熱帯林に棲む大型インコの一種、ヨウム (Psittacus erithacus) が群れで暮らしています!
彼らは各地の園館ではショーバードやふれあいなどで活躍していることが多いですが、多くが単独で飼育されています。また、動物園でも繁殖例はありますが、繁殖が順調に進んでいる場所はほとんどありません。
更に、昔からペットとして人気が高く、大量に捕獲され、その過程で多くの個体が犠牲にななっているとされています。今も密猟が絶えないといわれています。日本もヨウムを多く輸入していた国の1つでもあります。
大学や研究機関とも協力して、上手く繁殖につながるよう、繁殖に関する情報の調査をおこなっているようです。
ゆくゆくは生息国の1つ、ウガンダの動物園と協働で、野生復帰を想定しているそうです。
その3 豊かな里山と戯れられるのがいいぞ!
ファミパは自然豊かな呉羽丘陵 (くれはきゅうりょう) の中に位置し、園内にも自然が溢れています。
園内各所には、自然散策路が整備され、里山の四季折々の植物や花などの風景を楽しむことができます!
四季折々、季節によってさまざまな表情を見せてくれます。
また、園内には、野生のムササビ (Petaurista leucogenys) が生息しています!
彼らの休息場所や巣作り場として、巣箱が設置されています。その中のようすは、巣箱下のライブカメラでいつでも見ることができます!
運が良ければ巣箱の中で休む彼らを見られることも!
ここでは、郷土動物館にもムササビが飼育されているため、園内にいながらにして、野生での彼らも見られる貴重な場です。
園内には、とんぼの沢というエリアもあり、季節によっては、野生のトンボやメダカ、ホタルに、ホクリクサンショウウオ (Hynobius takedai) も見られることも!
動物園はそこで飼育されている動物などを通して、野生で暮らす彼らに関心を持ってもらう「野生への窓」としての役割が重要視されています。
また、動物園は「レクリエーションの場」でもありますが、その中には、園内にある自然に触れたり、散策したりと自然と触れ合うことも含まれているそうです。
ここファミパでは、園内にある自然を通して、日本の動物たちが棲む環境を知ることができ、運が良ければ野生の彼らを見られるのが強みです。
四季によって、さまざまな自然の生き物たちにも出会うことができるため、自然散策や、野鳥観察など、自然観察が好きな方にもおすすめします!
その4 飼育員さん一押しの写真展「ファミパシャ!」がいいぞ!
動物たちの展示場近くには、飼育員さんが撮影したさまざまな動物たちの写真も展示されています。
「ファミパシャ!」という、飼育員さんが撮影した、飼育している動物たちのさまざまな表情が見られる写真展です。
飼育員さんしか取れない間近で撮った写真や、なかなか出くわせないレアな行動のものだったりと、動物たちのさまざまな表情を楽しむことができます!
動物の展示エリアに来た時には、飼育員さん一押しの写真展をご覧になってはいかがでしょうか。
交通アクセス
その1 公共交通機関で
JR富山駅を下車し、JR富山駅南口地鉄バスターミナルに向かい、3番乗り場、16系統「富大附属病院循環」に乗車します。
そこからファミパの最寄停留所「ファミリーパーク前」まで乗車します。
JR富山駅からファミリーパーク前までは約25分で到着します。
ファミリーパークへはそこから徒歩すぐに到着します!!
東京など関東方面からのお越しの方は、北陸新幹線を利用すると、約2時間で富山駅まで行けるため、アクセスは良好です!
(ちなみに私が住む三重からだと、富山まで特急電車で3時間以上かかります…)
その2 車で
「北陸自動車道」の「富山西IC」で下車し、そこから5分で到着します。
駐車場は約1100台駐車可能で、料金は無料!
東京や神奈川など関東方面にお住いの方は、電車の方が早く着くことができますが、愛知や三重などの東海地区や、大阪や京都などの近畿地区の場合は、こちらの方が早く、かつ柔軟に行ける可能性があります。(特急だと時間の融通が利きにくく、開園当時に入場が難しいこともあります)
愛知、岐阜、三重からですと、北陸自動車道のみで行くこともできますが、「東海北陸自動車道」を使い、「小矢部砺波JCT」で北陸自動車道に乗り換えると、30~1時間近く短縮できます!
ただし、東海北陸自動車道は山間部を通るため、冬場は積雪やスリップの恐れがあることと、途中から片側1車線になる箇所があるため、注意が必要です。
今回は、富山市ファミリーパークの見どころを紹介いたしました。
動物園にはライオンやゾウなどの大型動物というイメージがあると思いますが、日本の生き物に力を入れた園ならではの面白さや、里山の自然を満喫できるなど、他にはない体験を味わうことができます。
もし興味をもってくださった方がいましたら、訪問してくださると嬉しいです。
かみやん
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