前回の記事で紹介した、八木山動物公園の翌日に、茨城県の日立市かみね動物園を訪れました。
茨城県を代表する動物園で、「楽しく学べる動物園」をモットーに、来園者が動物や動物園について楽しく学べる様々な工夫が沢山あるのが特徴です。
さらに、動物たちが快適に過ごせるよう、飼育員さんだけでなく、来園者参加型の取り組みも多数あり、来園者と動物のどちらにとっても良い園づくりに尽力されているそうです。
今回はそんなかみねの、ここがいいぞ!といったポイントに絞って紹介いたします。
手前のオブジェは、2012年までここで飼育されていたニシゴリラ (Gorilla gorilla) のダイスケ (♂) の等身大オブジェです。
その1 入園してすぐゾウに出会えるのがいいぞ!
入園ゲートをくぐってすぐに、ゾウたちに出会うことができます!
ここにいるのは、アジアゾウ (Elephas maximus) 。スズコ (左) と、ミネコ (右) の2個体のメスが飼育されています。
ミャンマーから来園し、長らくかみねの人気者として多くの来園者に親しまれています。
彼女たちの紹介はこちらからご覧いただけます。
アジアゾウを飼育している園は数あれど、入園してすぐに出会える場所はそう多くありません!
運動場には、暑い時に休める木陰や、プール、砂浴び場、更にモート (堀) 部分に草が生えていて、それをつまみ食いできるなど、快適に過ごせるよう工夫されています。
さらに、こんなビュースポットもございます。
更に、開園前には飼育員さんたちによる健康管理のためのトレーニングがおこなわれており、それを入園ゲート越しに見ることもできます。お時間がある方は是非。
その2 さまざまなメッセージがあるサインがいいぞ!
「楽しく学べる動物園」の理念のもと、各動物のエリアには、彼らについて理解を深められるさまざまなサインが掲示されています!
こちらはホンドタヌキ (Nyctereutes viverrinus) と、アライグマ (Procyon lotar) の違いを紹介したサイン。
一見、よく似た姿をした両種ではありますが、分類上も異なり、外見もさまざまな違いがあることがわかります!
信楽焼のタヌキについてや、ヒトとの関係についても知ることができるサインもございます。動物園は、動物そのものだけでなく、動物が関わる文化や、彼らとのかかわり方についても学べる場所でもあります。
クマ類が飼われている「クマのすみか」には、こんなサインが。
ニホンツキノワグマ (Ursus thibetanus japonicus) の運動場に設置されている装置について紹介するサイン。
めくると、右の写真のように解説が出てきます!彼らが野生でおこなうとされる採食行動を、動物園でも発現できるように工夫されたフィーダーについて紹介されています。
動物園で暮らす彼らの暮らしの工夫についても知ることができます!
その3 日本に4個体しかいないシマウマを見られるのがいいぞ!
ここでは、ハートマンヤマシマウマ (Equus zebra hartmannae) というシマウマが飼育されています。
ここにいるのはキララ (♀) 。
アフリカ南部の山岳地帯に生息する種で、国内ではわずか4個体しか飼育されていません!
(他には夢見ヶ崎動物公園 (神奈川県) に1個体、福山市立動物園 (広島県) に2個体。)
動物園で一般的に見られるサバンナシマウマ (Equus quagga) と比べ、首の下が垂れ下がっている (肉垂) のが特徴で、縞模様も細かめです。
現在彼女だけですが、餌の与え方を工夫し時間をかけて食べられるようにしたり、飼育員さんが頻繁にコミュニケーションをとるなどして、彼女が幸せに暮らせるようにしています。
彼らは導入が難しく、近い将来国内では見られなくなってしまうかもしれません。今のうちにぜひ会いに行ってみてください!
その4 ユニークな混合飼育がいいぞ!
かみねでは、一つの空間に複数種の動物たちを飼育する「混合飼育」がおこなわれているエリアがあります。
混合飼育は、野生での暮らしに近づけるだけでなく、野生での暮らしについて来園者に知ってもらうなどの教育的な効果もあるとされています。
その中でもユニークな混合飼育2種をご紹介します。
まずは、キリン (Giraffa camelopardalis) と、ホロホロチョウ (Numida meleagris) 。
どちらもアフリカのサバンナに生息しており、野生での生活を再現しています!
お次は「はちゅウるい館」の館内にある中南米に棲む動物たちのエリア。
樹上には、南米の小型サルの1種、コモンマーモセット (Callithrix jacchus) と、草食性トカゲのグリーンイグアナ (Iguana iguana)がいます。
コモンマーモセットは主に果実や昆虫、樹液などを主食にしています。
地上部分には、リクガメの一種、アカアシガメ (Chelonoides carbonaria) がいます。
彼らは草や木の葉、果実、動物の死骸などを食べる雑食性で、ここではマーモセットが食べこぼし、落ちてきた野菜や果実なども食べているそうです!
ジャガーの運動場は、野生では熱帯林に過ごす彼らのため、樹木が植えられ、登ることができる丸太が用意されています。更に、水浴びも好むため大きなプールも用意されています。
このような光景は野生でも見られるとのこと。哺乳類と爬虫類の混合飼育の組み合わせは、全国的にも珍しく、ここに来たらぜひ見ておきたい光景です!
その5 続々誕生の新施設がいいぞ!
かみねはここ数年で新しい施設が続々誕生しており、動物たちにとってより快適で、来園者にとって見やすい施設に変化してきています。
まずは、今年オープンしたばかりの新猛獣舎「がおーこく」。従来飼育していたトラ (Panthera tigris) とライオン (Panthera leo) に加え、ジャガー (Panthera onca) が仲間入りしました!
こちらは静岡市日本平動物園から来園した小麦 (♀) 。撮影当時は1歳になっていないこともあり、顔立ちはまだ幼さが残り、柵越しに同い年のアステカ (♂) とじゃれ合うなど愛らしい姿を見せてくれました。
施設は、それぞれの猛獣に合わせた環境が用意されています。
こうすることで生き生きした彼らの姿を見られるようになりました。
充実しているのは運動場だけではありません。
室内の展示室も広くなりました!運動場に出られない時間などでも、快適に過ごせるよう、遊び道具や寝台などが用意されています。
ガラス面で見やすいため、彼らの表情を間近に観察できます!
寝室も繁殖を見据えて複数部屋が用意され、それぞれの部屋に予備の運動場もあるなど、バックヤード機能も充実しているそうです。
サインも、新しいだけでなく、彼らについて楽しく学べるようさらに工夫されています。
ジャガーはヒョウ (Panthera pardus) やチーター (Acinonyx jubatus) と模様が間違われることがありますが、明確な違いがあります。
これでどの模様がジャガーなのか、迷わなくなるでしょう!
数年前にオープンした、爬虫類とウミウ (Phalacrocorax capillatus) の複合施設「はちゅウるい館」では、普段見られないウミウを間近に観察でき、彼らの凄さを体感できるようになっています!
はちゅウるい館で暮らすウミウ。各地の鵜飼で活躍することで有名です。
日立市内には、「鵜の岬」という場所があり、そこで渡りの休憩としてやって来る野生個体を捕獲し、全国各地に送っているのだそうです。
ここではそんなゆかりもあり、ウミウを飼育しているのだそうです。
名ハンターである彼らのために、深さ4mのプールが用意されています!
岐阜県の長良川うかいミュージアムなど、ウミウを飼育している施設はいくつかありますが、ド迫力の食事タイムが見られるのは、おそらくここだけです!
交通アクセス
かみねへの交通アクセスは主に2通り。
1 公共交通機関で
JR常磐線「日立駅」からバス (中央口バス停2番乗り場) で、最寄りの「神峰公園口」で下車します。神峰公園口までの所要時間は10分ほど。
そこから歩いて2,3分ほどでかみねの正門に到着します。
運賃は190円ほど。
日立駅までは東京駅からJRの「特急ひたち」が出ており、そちらに乗車すると約1時間半ほどで到着します!
2 車で
常磐自動車道日立中央ICから、国道6号線経由で約5分ほどで到着します。
駐車場は800台駐車可能で、料金は無料!
おまけ
1 ゾウ好きは、エレファントカフェにGO!
かみねの園内には、「エレファントカフェ」と、「かばさんハウス」の2つの飲食店があります。特にゾウが好きな方にお勧めしたいのが、エレファントカフェ。
正門からもすぐそこで、開放なテラス席から、太平洋とアジアゾウを眺めながら食事ができます!!
こんな風にゾウたちを眺めることができます。
メニューは、各種ハンバーガーやオムライス、ピラフ、パスタなどがあり、特にお勧めなのが「かみねバーガー」です!
茨城県のブランドの黒毛和種「常陸牛」を使ったパティと、茨城県産のレンコンが挟まっています。
ジューシーで肉厚なパティと、レンコンのみずみずしさの相性はバツグン!
エレファントカフェにお越しの際は、是非味わってみてください。
2 太平洋を一望できる絶景がおすすめ!
かみねは市内を見おろせる高台に位置しています。園内からはなんと、太平洋を一望できる絶景が堪能できます!
他のポイントより遮るものが少なく、辺り一面広がる太平洋を堪能できます。
他には新猛獣舎「がおーこく」のライオン舎横の展望台、先述したエレファントカフェなどからも絶景が堪能できます。
園内を歩いて足が疲れた時には、絶景を見て癒されるのもありかもです。
今回は、日立市かみね動物園の一押しポイントに絞って紹介しました。
もし興味をもってくださった方がいましたら、ぜひ訪れてみてください!
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