先週、豊橋総合動植物公園(通称:のんほいパーク、以下豊橋と表記)で、昨年インドから来園した3個体のアジアゾウ (Elephas maximus) の来園1周年記念のイベントがおこなわれていました。
内容は、飼育員さんと園長さんによる講演と、スイカのプレゼントの2本立てでした!
左から、チャンパカ、バヴァーニ、ドローナ。来園1周年おめでとう!今回は主役です!
この3個体のことを以下からはインド組と表記します。
その1 来園1周年記念の講演会
まず園長さんからは、彼らが日本に来園するまでについてのお話がありました。
彼らが生まれ育ったのは、インド南部のカルナータカ州にあるスリ・チャマラジェンドラ動物園 (マイソール動物園) 。
園長さん曰く、インドで最も歴史のある動物園だそうで、約60haと広大な敷地に、世界各地の様々な動物が飼育されているそうです。
(因みに豊橋は動物園・植物園・遊園地・自然史博物館を含めて約40ha。その広さが伺えます。)
ゾウたちは群れで飼育され、1個体ずつ飼育員さん(マフー)が付いていたそうです。
現在、国内には約80個体のアジアゾウが暮らしていますが、繁殖可能な個体は限られています。そのため繁殖の見込みのある若い個体の導入が望まれていました。
彼らは箱に入っても大人しくしていたそうで、飛行機に搭乗した際には万が一のことを考え獣医でもある園長さんが同行したそうです。
お次は、飼育員さんから、日本に来てからのここ1年の暮らしについて講演がありました。
最初は検疫のため、約1か月間はインド組のみで生活していたそうです。
検疫期間が終わり、群れでの生活を目指すべく、先住の個体との柵越しでの顔合わせがはじまりました。
それぞれの性格を考慮したうえで、
顔合わせ→まずは数分間のみの同居→少しずつ時間を延長→他の個体を合流させるなど、
手順を踏んでいったそうです。
先住の個体に慣れていくにつれ、チャンパカとバヴァーニからアーシャーとチャメリーへ挨拶をする回数も増えてきたとか。
チャメリー(右)へ鼻を伸ばして挨拶をするバヴァーニ(中央)。
さらに、メインの運動場に出た際には、不安になるインド組達を、先輩たちが誘導するなど少しずつ群れとして機能してきたそうです。
インドから日本にやってきたインド組達。場所が違えば食べ物も違ってきます。
最初のうちは、インドで食べていたものとよく似たものをあげていたそうです。
そこから少しずつ日本での餌に慣らしていったそうです。
さらに、インドと日本では気温が異なります。
かなり暑くなる夏は、熱中症防止とリフレッシュを兼ねて、頻繁にプールに入ってもらっていたそうです。
一方寒い冬は、昼から暖房を入れ、十分に室内を暖めることで快適に過ごせるように工夫したいたそうです。
こうした飼育員さんの工夫もあり、無事に1年を迎えられて、私としてもとても嬉しいです。
その2 スイカのプレゼント
講演会が終わり、午後にはゾウたち全員にスイカのプレゼントがありました。
今回はインド組のようすをご紹介いたします。
まずは、オスのドローナ。
スイカを見つけてすぐに駆け寄るドローナ。
一口では食べられない大きさなのか、足でスイカを踏みました!
甘いスイカをぱくぱく平らげて、満足そうなドローナ。
ゾウたちは甘い果物も好きなので、よくトレーニング時のご褒美にあげたりするのだそうです。
お次は、チャンパカとバヴァーニ。
運動場のプールサイドにそれぞれ1個ずつ用意されました。
先輩たちがいると、取られてしまう可能性があるためか、一度ゾウ舎に全員入ってもらって、彼女たちだけが再び出てきました。
飼育員さんが彼女たちを呼ぶと、奥から登場しました!
左がバヴァーニ、右がチャンパカ。
最初はスイカの存在に気づいていなかったですが、匂いでわかるのか、下のように鼻を伸ばして辺りを気にし始めました。
チャンパカが、鼻を伸ばして辺りを気にしています。
チャンパカが気づく前に、バヴァーニがスイカをゲットしました!
勢いよく食べ始めました。
すると、それに気づいたチャンパカが急行します。
このあともう1個のスイカの存在に気づき、すぐにそちらに行っていました。
この日は暑かったですが、インド組達が無事に来園1周年を迎えられたこと、そして、スイカを食べる彼らのようすをじっくりと見られて良かったです。
飼育員さん曰く、来園した当初よりも大きくなってきているといいます。
これからの益々の成長に目が離せません。
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