いしかわ動物園 その3 「いしかわ三鳥」を見逃すな!

先月訪れたいしかわ動物園。

前回は、アフリカの草原の動物たちをご紹介しました。

今回は、いしかわ動物園で決して外せない、3種の日本の希少な鳥たちをご紹介!名付けて「いしかわ三鳥」と呼びましょう!

いしかわ三鳥は、以下の鳥たちです!

・トキ (Nipponia nippon)

・ライチョウ (Lagopus muta)

・イヌワシ (Aquila chrysaetos)


まずはトキ。言わずと知れた一度野生絶滅した鳥。生息地は佐渡島のイメージが強いですが、本州での最後の生息地は何と石川県でした!公開している施設は「動物園」ではなんとここだけ!

お次はライチョウ。北アルプスや乗鞍岳などの高山帯に生息する鳥。氷河時代からの生き残りとされ、山岳信仰からか、「神の鳥」という二つ名が付けられています。

最後は、イヌワシ。日本の猛禽類では最大級で、山岳地帯の谷や岩場を縄張りにする日本の山の頂点捕食者。石川県の県の鳥でもあります!


この三鳥たちは、いしかわに来たら絶対見ておきたい鳥たちです!そんな彼らの暮らす施設と、そこでの彼らのようすをご紹介いたします。


1.朱鷺が飛び交う、山紫水明の里 ~トキ里山館~

これがトキ里山館の入り口。ここでは、トキが暮らす里山をそのまま切り取ってきたかのような広大な施設で、彼らをさまざまなアングルで見られます!


入ると、観覧通路沿いにトキの餌場などが設けられています。ここに限らずですが、基本的にフラッシュ撮影は禁止です。彼らが驚かないようにフラッシュ設定はオフにしましょう。


餌場に放たれたドジョウを食べようと嘴で探索するトキ。彼らの嘴はセンサーがあり、泥の中の獲物も容易く見つけ出すことができるといわれています。

こちらは、トキが営巣する巣台。訪問時は彼らの繁殖期。ここで飼育されているつがいのうちの片方が一生懸命抱卵していました。

この里山館では、繁殖例が何回かあります。今年も上手く行くことを願いたいですね!


これがトキのエリアの全景。手前には彼らが休息する止まり木、奥には彼らが採食できるような棚田が見えますね。
時間を変えて訪れると、さまざまな姿が見られます。


棚田に降り立ったトキ。野生復帰が成功した現在の佐渡島ではこうした姿を見る機会は多いそうです。
しかし、そこ以外ではほとんど見ることができない光景です。

現在は、BOペアと呼ばれるつがいとそのこどもがここで暮らしています。
(訪問時、他に2つがいがいましたが、それらは非公開の繁殖施設にいました。)


トキたちのいる場所を過ぎると、彼らについて知れる学習コーナーがあります。
模型やパネルなどを通して、彼らの特徴や、彼らの絶滅~復活までの道のり、そして現在の保全活動など、トキの全てを知ることができます。


2.神が座す、霊山の雪嶺 ~ライチョウの峰~

ここがライチョウが飼育されている、「ライチョウの峰」。彼らの可愛いイラストの扉をくぐると、そこは霊山の雪原が広がっています!

展示室は、かつてライチョウが生息していた白山の風景をバックに、岩場や斜面などがつくられています。

ここで飼育されているのは、日本産のライチョウと、北極圏のスバールバル諸島に生息する、スバールバルライチョウの2種。

こちらはニホンライチョウのオス。訪れた季節が4月だったこともあり、黒味がかかった夏羽が目立ってきています。

雪深い山岳で暮らすこともあり、足には羽毛がびっしりついています。

彼らはあまりヒトを恐れない性質なので、登山中に彼らに出会っても逃げることはほとんどないそう。


こちらはメス。体格はオスより少し小さめなのと、頭部の赤い部分が無いことで見分けられます。
ここでは絶滅が心配される彼らの繁殖に積極的に取り組み、毎年雛が生まれ育っています!


こちらはスバールバルライチョウのオス。ニホンライチョウとは亜種が異なります。
日本産のと比べ、体が一回り大きいのが特徴。

個体数は比較的安定していることもあり、ニホンライチョウを飼育する前に本種を導入し、飼育・繁殖の実績を重ね、ニホンライチョウに応用するための基礎データを収集していました。

3.天狗が棲まう、深山の谷 ~イヌワシの谷~

県の鳥、イヌワシが暮らす「イヌワシの谷」の外観。高さのある巨大なケージで暮らす彼らを、山小屋風の観察所から観察できます!

石川県での彼らの生息地、白山の谷をイメージした放飼場です。谷の下にある観察ポイントから見上げるようにして観察します。

(元々はピューマの放飼場でした。現在は飼育されていません。)

見上げると2羽のイヌワシが見えてきました!

左がオスの白山、右がメスの梯(かけはし)です。イヌワシはオスの方が小柄な体型をしています。この2羽はとても仲が良く、甲高い雄叫びで鳴き交わしている姿も良く見られます。

展示場の上部に設けられた巣台でくつろぐ姿も。

高さがある施設のため、時折飛翔する姿も見られます!その姿はとても凛々しく、神々しくもあります。


いしかわ動物園で見ておきたい、「いしかわ三鳥」について今回はご紹介しました。

どれも野生では簡単には見られないのばかり。いしかわを訪れた際には是非チェックしてみてください!


神山




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