ゾウたちの成長・年比較 アジアゾウのコサラ

先月から始まったシリーズ、ゾウたちの年ごとの比較。

ゾウたちは、寿命が長く、成長の過程を長い目で追うことができるのが、とても魅力的ですね。

前回は、東山動植物園にいたサバンナゾウ (Loxodonta africana)のケニーの年比較を紹介しました。

第2弾の今回は、同じく東山動植物園から、アジアゾウ (Elephas maximus)のコサラ (♂, 2004~)の年比較を紹介いたします!

コサラは私にとって最も身近なオスゾウ。そんな彼の成長ぶりをご紹介します。


1.はじめに コサラについて

まずは、コサラの基本情報、来歴などを簡単にご紹介いたします!


愛称:コサラ

種:アジアゾウ (Elephas maximus

亜種:スリランカゾウ (Elephas maximus maximus)

生年月日:2004年5月11日

出生地:ピンナワラゾウの孤児院(Pinnawala Elphant Orphanage) (スリランカ)

来園日:2007年7月28日


コサラは、2004年にスリランカで生まれた個体で、2007年にメスのアヌラ (2001~)と共に来園しました。

東山では一番大きなアジアゾウで、体重は約4.9トン (2020年3月末現在)もあります。

性格は好奇心旺盛で、遊ぶことが大好き(1)

乾草の粉を鼻息で吹いて器用に集めて食べることができ(2)、鼻が届かない場所の餌を鼻息で吹き飛ばして食べる姿がよく見られます!

牙は口外からは出ず、鼻の基部や体の至る所が、肌色の部分が多いことが特徴的です。

一緒に来園したアヌラとはとても仲が良く、2013年にさくら (♀)が生まれ、父親になりました。2022年5月~6月には第二仔が誕生予定です!

引用文献

(1) NPO法人東山動物園くらぶ編 (統括:櫻庭陽子,神山拓海) (2017) ず~っといっしょ2 東山動物園公認ガイドブック 中日新聞社

(2) ぴあ (2020) あまりに細かすぎる東山動植物園ガイド 東山動植物園公認ガイドブック ぴあ株式会社


年比較 コサラのようす

さて、これからは私が撮影した、コサラの年ごとの姿をご紹介いたします。

その1 2009年(5歳)


撮影日は2009年4月12日。

来園して2年が経ったころ。体はまだ小さく、後に紹介する姿と比べると顔立ちもずいぶん幼い、まだまだコドモでした。

この頃は放飼場ではアヌラと常に一緒で暮らしていました。


その2 2016年 (12歳)


撮影日は左が2016年7月30日、右が2016年10月23日。

2009年時と比べると、体は随分大きくなり、4トン近くなっていました。背も高くなり、約2.6m程に。(2009年時は2m程でした。)

顔立ちも立派になってきました。

2013年にさくらが誕生してからは、基本的に単独で暮らすようになりました。

単独で暮らしてはいますが、アヌラとさくらのエリアの間には鼻を伸ばしてコミュニケーションできるエリアがあり、そこで挨拶をしたりすることができます。

この年からは、アヌラの発情に合わせてペアリング(同居)が幾度なくおこなわれていました。

その3 2017年 (13歳)


撮影日は左が2017年9月15日、右が2017年6月7日。

この頃になると、体重は4トンを超えるようになってきました。

どうやらこの時には下腹部が少し出るようになり、飼育員さんたちによるダイエット作戦がおこなわれたようです。


その4 2020年(15歳)


いずれも2020年1月4日撮影。

2017年時よりも下腹部が引き締まっているようにみえます。

お尻の部分の筋肉も引き締まり、筋肉量も増しています。


飼育員さんたちによるダイエット作戦としては、減量作戦は主に以下の方法をおこなっていたようです。

その1 低タンパク質の乾草に切り替え、量を減らしていました。その代わりに噛み砕いて食べる必要がある枝葉を与え、満足感をもたせていました。

その2 餌を仕掛ける場所を増やし、移動を促すことで、運動量を増やしていました。


また、彼が好きな場所を選べる選択肢を増やせるよう、寝室の一部を開放したり、室内にも砂場や遊具、餌場を設け、生活がより豊かになるようなエンリッチメントがおこなわれています。


バランスのとれた体型になっただけでなく、この工夫で、以前に増してコサラの生き生きとした姿が見られるようになったと感じています。

彼の暮らしの質が向上したのは飼育員さんたちの努力があってのことだと思います。


コサラのダイエット作戦については、中日新聞のオンライン記事と、情報誌「ひがしやま」の49号にて詳しく紹介されています。興味のある方は是非アイコンをクリックして読んでみてください。


その5 2021年 (17歳)

いずれも2021年12月2日撮影。

昨年よりもさらに背も高くなり、体重も増え、約4.8トンに成長していました!

来園時は約1トンだったので、倍以上に成長しています。大体20歳ごろまでは身体は成長をし続けるとされているので、益々目が離せません。

撮影時は、普段さくらやアヌラが出ている大放飼場に彼が出ていました。普段は奥のオス専用の小さな放飼場に出ているので、かなりラッキーでした。


放飼場を探索し、餌はないか探すコサラ。



2022年3月では約4.9トンになり、5トンを超えるのもそう遠くないのかもしれません。これからどんどん立派なオスゾウへと成長していく彼。読者の皆様も、よろしければそんな彼に会いに行ってみてください。









コメント

  1. ガンバれ、コサラ❗️

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    1. コメント、ありがとうございます! コサラのこれからの成長ぶり、楽しみですね!

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  2. もうすぐ2頭のパパとなりますね!楽しみです

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    1. コメント、ありがとうございます!そうですね!何事もなく、無事にコサラの第二子が生まれてきてほしいです。

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  3. はじめまして、コサラの歴史ありがとうございます。コロナ前イベントでコサラの部屋に入りえさをあちこちに置きました
    第二子生まれました!昨日は3頭そろって室外デビューしました。姉になったサクラもいるので素晴らしいです。

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    1. ご覧いただき、ありがとうございます!コロナ禍前は、バックヤードツアーなども頻繁に開催されていましたね。アヌラとの間に第二子が無事生まれて本当によかったです。彼もまだまだ成長すると思うので、これからが楽しみですね! かみやんより

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