愛知県は、ゾウ王国! その3 豊橋総合動植物公園

神山です。

ゾウ王国、愛知の施設紹介、東山動植物園が終わり、残るはあと2つ。

お次は、豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)の詳細編をご紹介いたします!


はじめに 

豊橋総合動植物公園は、東山動植物園と並び、愛知県を代表する動物園。「のんほいパーク」の愛称で親しまれています。

ここは、動物園、植物園、自然史博物館、遊園地の4つが存在しています。この組み合わせは国内でも唯一無二!一日ですべてを周るのは不可能なほど。

動物園エリアでは、キリンやシマウマなどのアフリカの草食獣をサバンナのような放飼場で観察できる「アフリカエリア」、ホッキョクグマやペンギン類などの活発な姿が見られる「極地動物館」、日本産の野鳥が生息地に近い環境の施設で暮らす、「野鳥園」など、

動物たちの生き生きとした姿が見られるのが特徴です!

この写真は、アフリカエリアの一部。木陰ではキリン(Giraffa camelopardalis) が休み、ウシ科のエランド (Taurotragus oryx)が草を食んでいます。


その特徴は、ゾウのエリアでもいかんなく発揮され、愛知県だけでなく、

日本を代表するゾウのエリアとなっています!

さて、覗いてみましょう!


池畔から見ゆるは、巨人の楽園

園の中央部にある「大沢池」の畔を歩くと、何やら大きな足跡が。


とても巨大な足跡ですね。これを頼りに歩いていきます。

すると、対岸に、ゾウのエリアが見えてきます!


川の対岸にゾウの群れがいる、野生さながらの光景。擬岩の壁を挟んで、左側がオスゾウ用のエリア、右側がメスゾウ用のエリア。

広さは、メスゾウエリアが4400㎡、オスゾウ用のエリアは1500㎡、合計6000㎡の巨大な放飼場です!

日本では最大規模のゾウのエリアです!

(前回までの東山は、放飼場全体で1800㎡、その数倍の規模です。恐るべし…)

2019年にメスゾウエリアが、2021年にオスゾウエリアが従来の施設を拡張する形で完成し、更に2021年5月にはインドから3個体来園し、圧巻の6個体になりました。


私も初めて見た時は、これが日本の動物園とは思えない光景でした!それもそのはず、子のゾウのエリアを建設する際、ゾウの群れ飼育と繁殖で有名なドイツのケルン動物園を視察し、それを参考にしたという本気ぶり。

因みに従来の放飼場はこんな感じでした。

現在も旧来からの放飼場とゾウ舎はありますが、モート(堀)は埋め立てられ、旧来の放飼場はサブパドックや繁殖のためにオスとメスを同居するエリアの役割に変わっています。


池畔からみた放飼場の全景はこんな感じ。


どちらの放飼場ともにプールを上がったところに上り坂があり、その上にも放飼場があります。

こちらが坂を上がったところのエリア。左の柵は、従来の放飼場です。

豊橋でもただ広いだけではなく、巨大な水場や各地には餌を仕掛けられる場所があり、地形は高低差もあり、ゾウたちが群れで快適に過ごせるようになっています。次は、そんな工夫と群れでの暮らしを見ていきましょう!


メスゾウエリア 群れでの暮らしぶり



プールの深さは、一番深いところで約2m以上。湖のような巨大なプールでは、ゾウが何個体入っても全く問題なし!


地面はほとんど砂や土。しかも、ゾウたちがケガしないよう、大きな石は取り除かれている優れもの。

かなりの広さがあるので、こうして走り回ることもできます!坂などの高低差がありますが、それをものともせず駆けあがっていきます。

池を上がった先には、日除けがあります。


暑い日には、日除けの下で群れで休んでいることも!この時、年長のアーシャーやチャメリーが年下のチャンパカとバヴァーニが休んでいる時に見張るなど、しっかり群れとして機能しています。


擬岩の壁の穴や、壁の上の至る所に、餌が仕掛けられています。ここまで歩いてきて、餌を探して食べる行動がよく見られます!

6個体中、メス4個体が群れのため、たがいに挨拶したり、じゃれ合ったり、群れで移動したりと、ゾウの本来の行動が、最大限に引き出されています。


チャメリー(左)に挨拶しに来たバヴァーニ(中)と、チャンパカ(右)。


最年長のバヴァーニを護る、アーシャー(左)とチャメリー(右)。


テンションが上がって走り回るバヴァーニ(左)とチャンパカ(右)。


サブパドック(従来の放飼場)で暮らす若オスのドローナも、メスたちの群れエリアが柵越しのため、あいさつしたり、柵越しに喧嘩遊びをしている姿も!


オスゾウエリア 雄々しき姿と、穴場のビュースポット

こちらはオスゾウのエリア。かなり広めです!


体重約6トン近くある立派なオスのダーナでさえ、これだけ小さく見えます。設備面ではメス群れのエリアとさほど大きく変わりませんが、広くて快適な放飼場のため、迫力が更に増しています!


こちらを見下ろすダーナ。思わず畏怖の念を感じます。


砂浴びをするダーナ。元々の放飼場の床面はコンクリートがメインでしたが、ここでは砂や土がメイン。思う存分砂浴びができます!砂浴びシーンも大迫力!


柵越しにメスゾウエリアのゾウたちと交流できるスペースも。メス群れのメンバーが来ると、鼻を使って挨拶したり、匂いを嗅いだりする様子が見られます。

そして、オスゾウエリアの外周にはこんな壁があります。

何やらスキマがありますね。少し覗いてみましょう。
スキマを覗くと、ダーナが顔を出してきました!!

ダーナを、とても近くで観察できます!ここで見られるかどうかは彼の気分次第ですが、
こちらを気にしてやってくることも!
ただし、ダーナが鼻にモノをもっている時は注意!!こちらに鼻水や土を飛ばすことがあるので、観察時はご用心

結構穴場な観察ポイントなので、ぜひ覗いてみてくださいね。


おまけ 真っ先にゾウに出会いたいなら、西門がいいぞ!

豊橋は、中央門、西門、東門と3つの入園ゲートがあります。中央門や東門は国道1号線から近く、東門はJR二川駅から徒歩5分と、半ば西門がかすみがちですが、西門の強みは、

どの門よりも、すぐにゾウに出会えること!


西門から入ってまっすぐ行くと、すぐにゾウのエリアが見えてきます!ここは下り坂になっています。天気の良い日はここで弁当を広げて、ゾウを見ながら食べるのもアリだと思います!



日本最大級の放飼場で、群れで過ごす彼らをゆったりと観察できるのが豊橋の強み。日本全国の動物園がすべてそうなるのは課題があるかもですが、もっと広まって欲しいですね!

読者の皆様も、機会があれば訪れてみてください!ゾウ好きにはたまらないと思います!

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