2月27日の東山のゾウたち その1 放飼場に慣れてきたワルダー

神山です。

先月27日に、1月2日以来、約2か月ぶりに東山動植物園を訪れました。最近はメスのワルダー (1971~)の放飼場に慣れる練習が進み、1月2日に訪れた時よりも行動範囲が広がっているとの情報を耳にしたので、久しぶりに訪れてみることにしました。


1.ワルダー、いざ放飼場へ!

13時30分頃、ワルダーが出る予定の大放飼場にて食事の準備が始まりました。


情報によると、プールサイドに置かれた青草辺りまではこられるようになっているとのこと。ただし、その場所へ行くのも彼女次第。今回はどうなるでしょうか…

食事を1カ所にまとめて置かず、複数にばらけて置いてあります。こうすることで、その場所までに移動する目的ができますし、そうすることで新たな場所へ行くことを促すこともできます。

5分後、遂にゾウ舎の扉が開き、出てきました!


1月2日に訪れた時点では、彼女の右にある柱を超えるところまでは行けているのを見ましたが、軒下のコンクリート部分のみで、砂場エリアには足を踏み入れてはいませんでした

ゾウ舎から出たワルダーは、ためらうことなく、足を運んでいきます。左から鼻を伸ばしているのは、さくら (メス、2013~)。外に完全に慣れていないワルダーを気にかけているようです。

すると、砂場エリアまで出てきて、砂浴びをはじめました!!


砂浴びは元々大好きでしたが、今の放飼場に替わってからは砂浴びは久しくしていなかったと思います。

砂を鼻で一杯集め、思いっきり体にかけます!



ゾウ舎の寝室と、軒下しか出られていなかった頃よりも、どこか表情が明るく感じます。寝室メインでいた時も、飼育員さんが工夫を凝らしていましたが、やはり外に勝るものはないと思いました!

2.放飼場で食事をとるワルダー

砂浴びした後は、プールサイドに置かれた食事へと向かっていきます。


鼻を思いっきり伸ばして、青草をゲットします。
砂場エリアには足を踏み入れていても、プールサイドにはまだまだ慣れぬよう。

こうしてゲットした青草を、ゾウ舎への出入り口のある軒下まで運んで食べていました。


アヌラが鼻を伸ばしてねだっていますが、我関せず食べるワルダー。

こうして出入り口を開放しておくと、気分が乗らない時や出たくない時に、すぐに戻れるこの場所が彼女にとっては安心なのかもしれませんね。



今度は、軒下ではなく、砂場エリアで食事をとろうとします。
私が見ていた時も、砂場エリアで食事をとる姿も何度も見ました。軒下だけでなく、ここでも食事をとることは、少しずつ慣れてきた証拠。

食事の後は、歩き回って、鼻を伸ばし、探索します。

現在の放飼場のうち、彼女が行ける場所は約3分の1ほど。こうして放飼場に慣れる練習をし続けて約半年が経とうとしています。
たかがこの距離で半年も?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは彼女にとっても大きな進歩なのです。

彼女は、とても慎重な性格で、慣れることに時間がかかる面が多々あります。

9年前、この獣舎が完成したときにも、新しい環境に馴染めず約1年半以上出られなかった時期がありました。その時期にも食事で誘導したり、飼育員さんが寄り添って声掛けするなどして、少しずつ外の環境に落ち着けるようにしていました。

その時は、この砂場エリアに出てくるまでに、1年半の時間がかかっていましたが、
半年で到達できている今回は随分早いペースです!!



食事を終え、日当たりのよい軒下で鼻を下ろし、休憩するワルダー。

今回、放飼場へ慣れてきたワルダーが見られて、とても安心しました。このペースであればゆくゆくは今の放飼場に完全に慣れ、思う存分楽しむ彼女の姿が見られそうです。

ゆっくりでいいので、一歩ずつ足を進めてくれればと思います。


ゾウ舎に戻るワルダー。また会いに行きます!

神山



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