神山です。
その1では、放飼場に慣れてきたワルダーの様子をご紹介いたしました。
今回は、午前中に大放飼場に出ていたコサラ (オス,2004~)の様子をご紹介します!
1.コサラ、大放飼場に現る!
私がアジアゾウ舎に到着したのが10時半ごろ。ワルダーは出ているかなと思ったら、なんと大放飼場でコサラに出くわしました!!
1月2日に訪れた時は、時間が合わず大放飼場での姿を見られませんでしたが、今回は出会えました!
今回は食事のようすに焦点を当てて、そんな彼の姿を見ていきましょう。
2.食事のようす
大放飼場には、いたる所に餌が仕掛けてあります。
場所を定めずに各地にばらまかれていたり、鼻しか届かない高い場所に設置されていたり、死角ではわからず、嗅覚をもとに探させるようなものまで、さまざま。
放飼場に置かれていた、枝葉を食べるコサラ。枝葉は野生下での重要な食べ物の一つで、ある程度太い枝であっても、小判型の頑丈な臼歯で、たやすくすりつぶして食べます!
食べるのに時間がかかり、太さによっては折った方が食べやすいのか、足で押さえて、鼻で折り取って食べるなど、時間をかけて食事ができます。
また、飼育員さんの出入りする扉にも、ペットボトルが仕掛けてあります。
ペットボトルには小さな穴が空いていて、その中にはペレット※など小さめの餌が入っています。
※動物に必要な栄養が含まれた固形飼料。ドッグフードやキャットフードもその一つ。ゾウ用、霊長類用、水鳥用、リクガメ用、トキ用など種類や、成長期用、成獣用など成長段階に応じたさまざまな種類があります。
ここは、ただ鼻を伸ばすだけでは餌を取れないようになっています。
しかし、コサラは鼻息を使い、中のペットボトルを転がして、その中に入ったペレットを取り出そうとします!
すると、鼻息でペットボトルが動き、穴からペレットが出てきます!
出たペレットは、鼻を掃除機のようにして吸引し、そして吐き戻して食べます。
鼻だけでなく、自身の息をも巧みに操り、食事をゲットします。
ゾウではこうした能力があることが確認されており、研究発表もなされています (Mizuno et al. 2016)。
また、これは、以前東山で飼育されていたサバンナゾウ (Loxodonta africana)で先駆けておこなわれていました。
こちらをクリックすると、当時東山で飼育されていたケニー (1973~2020)が、鼻息を使って格子の中のペレットを取り出して食べるようすがご覧いただけます。
今回は、大放飼場でのコサラの様子を、主に食事シーンに焦点を当ててご紹介いたしました。ペットボトルの中のペレットを取り出すさまは、以前いたケニーのことを思い出してしまいました。
神山
コメント
コメントを投稿