アジアゾウのさくら、誕生日おめでとう!

昨日の1月29日は、東山動植物園のアジアゾウ (Elephas maximus)、

さくらの9歳の誕生日でした!!

東山で初めて生まれ育ち、国内でも6例目の出産成功例となったさくら。

私にとっても、初めて見たゾウのこどもが彼女で、うまれた時から知っているため、特別な存在です。

そんな彼女について、ご紹介したいと思います!


1.さくらの紹介


さくらは、2013年の1月29日に東山で初めて誕生したメスのアジアゾウ。
父親はコサラ (2004~)、母親はアヌラ (2001~)。国内での出産成功例では6例目で、国内で初めて生まれたスリランカゾウ (Elephas maximus maximus) (アジアゾウのスリランカ産亜種)です。

性格は、食欲旺盛で、活発でやんちゃ。母親のアヌラや、柵越しにワルダーや、コサラと遊ぶことが大好きです。
プールにも入る時は、自分だけでなく、アヌラと一緒に遊んでほしいのか、後ろ足を強引に押してプールに入れさせることもあります(笑)
成長のためか、最近では少し落ち着いた一面を見せることも増えてきました。


次からは、私が撮影したさくらの写真を挙げながら、成長について振り返ってみたいと思います!

※2022年1月30日現在、出産成功例は14例。(死産や流産などを含めると21例)
その内現在も生存中なのは、9個体です。

2.初めて見た時のさくら
私が初めて彼女を見た時は、2013年の4月。3月から一般公開され、当時はまだ屋外に慣れていないためか、室内への出入りを自由にしつつ、時間限定で公開されていました。

この頃のさくらは、アヌラのお腹の下をくぐれるほど小さく、アヌラが歩くと必死に小走りしていました。小さくとも力強かったさくら。
母のすることを何でも見て真似をし、砂浴びや、乾草や青草を口に運んで食べたりなど、少しずつ鼻の使い方を学んでいるさまが印象的でした!


公式ブログによると、生まれて1週間ほどすると、アヌラの真似をして草を口に運んだりするようになったそうです。
ゾウといえば特徴的な鼻。こういって近くに居るオトナの個体を見て使い方を学んでいくのだなと思いました!

3.さくら、新ゾウ舎の大きな放飼場へ!

さくらが生まれた年の10月に、今まであったアジアゾウ舎 (現在は休憩所と広場)の向かいに、今のアジアゾウ舎が完成し、オープンしました!

この写真は、2歳になった2015年の4月に撮った写真。この頃になると、体重は900kgと、生まれた時の約6倍ほどに!放飼場のモートへの転落防止用の柵を超えようとするなどやんちゃな性格に。

※モート:動物園で、来園者と動物の間の仕切りとなる堀のこと。水を張ったものや、水を張らない空堀の2パターンが主流。

最初は小さな放飼場に出ていましたが、2015年の10月頃には、いよいよ大放飼場へデビューしました!


好奇心旺盛なさくらは、大放飼場に出ると大興奮!アヌラと一緒に思いっきり走り回ったり、小さな放飼場にはなかったプールや餌場を探索したり、泥場に顔を突っ込んだりと、見ているこちらも興奮させるほどの元気な姿を見せてくれました!


バシャバシャと泥水のある泥場に入り込むさくら。因みに母親のアヌラもさくらと同じかそれ以上に興奮し、喜んでいたことが印象的でした(笑)

4.さくら、アヌラ、コサラの3個体での同居!

さくらが大きな放飼場にも慣れたころには、母のアヌラの性周期が戻っていました。次の繁殖を目指して幾度なくペアリングがおこなわれ、その際には、さくらもいることもありました! (2020年7月のペアリングでアヌラが妊娠し、今年5,6月に出産予定です。)

2017年3月27日、私がいつものように東山に行った時、ペアリングに出くわしました!

さくらは、物怖じせずにコサラに駆け寄っていき、遊びを催促したり、それに応じて一緒にコサラが遊んでいたりしました!普段は仕切りで分けられているためか、とてもいい刺激のよう。












全員そろって泥浴びしています!













発情したアヌラを追いかけ、遂にマウントを試みるコサラ。その様子をさくらは横でじっと見ていました。
野生下では、オトナのオスゾウは、単独かオス同士の群れをつくって生活していますが、
メスと子どもたちの群れの中に発情したメスがいると、メスと交尾をします。
こどもたちも、こうしてやってくるオスを見て、オスとの付き合いなど様々な良い勉強になると思います。

こうして、現在アヌラは妊娠し、今年5,6月に出産予定です!
さくらにとっては、無事に生まれてくれれば、弟か妹ができることになります!




おわりに

9歳になったさくら。野生下では10~15歳に性成熟するといわれていますが、飼育下では栄養が豊富故かすでに発情が来ているそう。

さくらは将来東山に留まるのか、他園に転出するのかはわかりませんが、個人的には、どちらの道であっても、さくらの子孫を是非見てみたいと思います。

そしてこれからもすくすく成長し、立派なオトナになって欲しいなと思います!


長くなってしまいましたが、読者の皆様も、是非さくらに会いに行ってみてください!


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