今年初めての東山 その4 様々な動物たち

 みなさま、こんにちは。神山です。

1月2日(日)に、今年初めての東山動植物園を訪れました!

夜行性動物に爬虫類、ゾウとお送りしましたが、最後は東山で暮らす様々な動物たちを何種かピックアップしてご紹介いたします!最近のエピソードも併せてご紹介いたします。


1.インドサイ (Rhinoceros unicornis)

インドの北部やアッサム地方、ネパール南部の草原や湿原に生息するサイ。アジアゾウとも生息範囲が被っています。皮膚が鎧のような質感と頑丈さを持つことから「ヨロイサイ」という別名も。









東山では、ブンタ (オス、2009~)(写真の個体)、ニルギリ (メス、1990~)、セラ (オス、2003~)の3個体が飼育されています。日本全体でもここを含めて4つの動物園で9個体しか飼育されておらず、貴重です!












寝そべるニルギリ。インドサイの放飼場の床は柔らかい土や砂、落ち葉が沢山敷かれています。
これは、肢への負担を軽減し、運動不足解消とった効果があるといわれています。
インドサイは野生では湿原に生息するためか、硬いコンクリートの地面ばかりにいると、肢を痛めることがあり、それが原因で立てなくなって命を落とす場合もあります。

また、馴致をおこなうことで、麻酔無しでも肢のお手入れができるようにもなっています!


2.レッサーパンダ (Ailurus fulgens)

昨年公開されたばかりのレッサーパンダ。東山で飼われているのは中国に生息する、シセンレッサーパンダ (Ailurus fulgens styani)という亜種です。














ササを食べているこの個体は、まるこ (メス、2018~)。
好奇心旺盛な性格で、少し気の強い一面があります。


昨年公開された彼らも月日が経ったのと、寒い日が続くためか、活発に行動するようになってきました!!
彼らは高い山の森林に生息する動物。我々にとっては厳しい季節ですが、彼らにとってはむしろ快適なよう。

活発な彼らを見るのは寒くなってきた冬が最適です!

他には、オスのずん (2018~)、令 (れい(2019~))、メスのれいか (2019~)が暮らしています。
レッサーパンダは初春が繁殖シーズンとされています。運が良ければ繁殖のための同居が見られるかもしれません!

もし無事に繁殖が成功したら、東山では初めてになります。上手く行きますように!


3.オオアリクイ (Myrmecophaga tridactyla)

南米の熱帯林やサバンナに生息するオオアリクイ。昨年繁殖に成功し、親子の姿を見られます!














左が昨年生れのサエ、右が母親のエミ (2007~)。エミはこれが6回目の子育て。彼女が生んだこどもたちは、立派に成長し、各地の動物園で見ることができます。

ここの放飼場は、他の園に比べても広く、写真のように、至る所に朽ち木が置かれていま
す。
朽ち木を置くと、食物や棲み家とするためにさまざまな昆虫が集まってきます!
そうして集まった虫たちを、アリクイたちが食べる姿を見ることができます!












頑丈や爪で朽ち木を壊して中の虫を探すサエ。まだこどもですが、しっかりと壊し方は覚えたようです。

硬さもある朽ち木をいとも簡単に破壊する彼らのパワーに圧倒されます。




4.スマトラオランウータン (Pongo abelii)
インドネシアのスマトラ島の熱帯林に生息する、オランウータンの1種。
東山では、メスのネオ (1970~)と、アキ (1984~)の2個体が生活しています。





















訪問時に外の放飼場に出ていたのはネオ。
今年で52歳になり、日本のスマトラオランウータンの中では最年長記録を更新中!

口の周りや顎のヒゲが目立つのが特徴。

現在国内のスマトラオランウータンは5つの施設で11個体しか飼育されていません。そのほとんどが血縁関係にあり、新規個体導入も難しく、近い将来見られなくなる可能性の高い種です

彼らの平均寿命は約50年。30歳以上と高齢の個体が増えており、彼らがいかにして健康で長生きすることができるかが重要な施策となっています。














デッキの先にあるおやつを取るために、デッキを渡るネオ。毎日お昼過ぎになるとここで食事タイムがおこなわれます。
ここに来るまでにはロープや丸太が張り巡らされており、そこを渡ってデッキに辿り着きます。
そうすることで、彼女たちの運動にもなるように工夫しています。



5.ニホンカモシカ (Capricornis crispus)

園内の一番奥にある「こども動物園エリア」の中に、日本の野生動物を飼育する日本ゾーンがあります。その最深部に、ゴロー (オス、2002~)とモミカ (メス、2009~)の2個体のカモシカが暮らしています。















こちらはオスのゴロー。福井県の山中で保護され来園しました。彼も今年で推定20歳。決して若くはありませんが、落ち葉のベッドでくつろいでいました。


昨年11月、隣で暮らしていたメスのスズナ (2011~ 飯田市立動物園生)が井の頭自然文化園 (東京都)に移動し、その代わりに豊橋総合動植物公園から、メスのモミカが来園しました!












こちらがニューフェイスのモミカ。ゴローと比べると毛の色が黒めで、角も立派なのが特徴。彼女は静岡の山中で保護され、長らく豊橋で生活していました。
人懐っこい性格で、人間観察が大好きです。



モミカは豊橋でも何度も見ており、馴染みの個体でしたが、来園すると知って驚きました。
最初は柵越しでお見合いしていましたが、2日の訪問時は何と同居していました!!













こちらは昨年12月2日に撮影した写真。
柵越しにお互いが気になるゴロー (左)とモミカ (右)。この時から既にお互いを意識したり、柵越しに匂いを嗅ぎ合ったりしていました。


ニホンカモシカは、飼育施設こそそれなりにありますが、繁殖は順調とはいえない状況があります。昨年冬は各地で繁殖を目指してカモシカたちの移動が沢山ありました。

東山でも良い知らせがあることを願っています!


今回は5種の動物をご紹介いたしました!1月2日訪問時の東山はいったん終わりとさせて頂きますが、また訪れ次第アップ予定です。

次の園館訪問の記事は、滋賀県草津市にある、琵琶湖博物館をご紹介いたします!




コメント