今年初めての東山 その2 個性的な爬虫類たち

 みなさま、こんにちは。神山です。

1月2日(日)に、今年初めての東山動植物園を訪れました!

その1では、自然動物館で暮らす夜行性動物たちをご紹介いたしました。

今回は、同じ自然動物館で暮らす爬虫類たちをご紹介いたします。


その1 屋外のゾウガメたち

自然動物館の外には、ゾウガメ舎があります。

ここで暮らしているゾウガメは、アルダブラゾウガメ (Aldabrachelys gigantea)

リクガメの中ではかなりの大型種で、国内の動物園でよく見られます。












ゾウガメは、他の爬虫類と同じく、気温によって体温が変化する外気温動物ですが、ある程度の寒さには耐性があります。
そのため、ここでは、ある程度の寒さなら暖房の効いた室内と、屋内の出入りを自由にしています。












凍結した水たまりに紛れた落ち葉が気になり、顔を近づけています。
彼らは気になるものがあると、まず匂いを嗅ぎ、食べられるものと判断すると口を付けます。












時期が時期なので、外に出たくない個体は中で過ごせるなど、選択肢があります。
この寝そべっている個体は、アシュワルというオス。東山で一番大きな個体で、甲羅の長さは1mを超え、体重は130kgほどもあります。
※アシュワルは、アルダブラゾウガメの亜種、セーシェルヒラセゾウガメ (Aldabrachelys gigantea arnoldi)の可能性が高いとされています。

その2 温室で暮らすワニとリクガメたち

自然動物館の1階と2階をつなぐ部分には、巨大な温室があります。














この温室の中に遊歩道があり、そこから4種のワニやリクガメたちを観察できます!
時に人工的に雨が降ることもあり、熱帯林のスコールの如き迫力があります。












温室一の大物なのがナイルワニ(Crocodylus niloticus)。アフリカ大陸最大のワニで、野生では魚類だけでなく、個体によってはサバンナシマウマ (Equus quagga)や、オグロヌー (Connochaetes taurinus)なども捕食し、ヒトも捕食対象に入っています。

写真の個体は、オスのナイ (2009~)。好奇心旺盛な性格で、毎週日曜の13時30分におこなわれるエサの時間の時には、飼育員さんが近づいてくると俊敏に泳ぎ回る姿が見られます。












こちらは、インドガビアル (Gavialis gangeticus)インドやネパールの河川に生息するワニで、細長い口先は、エサの魚を捕えやすいといわれています。

ここで飼育されているのは、メスのくう。1989年の自然動物館開館当初から居る個体で、今年で32年目に。今回も元気な姿を見せてくれました!
彼らは、ここと、野毛山動物園、そして静岡県のiZooの3施設でしか見られない種で、野生でも個体数が激減し、絶滅が心配されています。

温室では、3種のリクガメが飼育されています。
まずは、ホウシャガメ (Astrochelys radiata)











マダガスカル固有のリクガメで、甲羅に放射状の模様が付くことが名の由来。












お次はビルマホシガメ (Geochelone platynota)。ミャンマーの固有種で、甲羅に鮮やかな星模様があるリクガメです。この日はヒーターの下で5,6個体かたまって暖を取る姿が見られました!












最後は、エミスムツアシガメ (Manouria emys)。ミャンマーやタイ、インドネシアなどに生息する大型種で、甲羅の長さは60cmほどに成長します。その迫力ある姿から、「アジアのゾウガメ」との異名をもちます。












後足と尻尾の間にある鱗が、あたかも足のようにみえたことから、この名が付きました!


その3 2階で暮らす爬虫類たち
2階に上がると、爬虫類と両生類の展示室があります。今回は何種かピックアップしてご紹介いたします!

パンサーカメレオン (Furcifer pardalis)












マダガスカル原産のカメレオンで、カメレオンという言葉からそのまま連想されるような見た目をしています。運が良ければ、長い舌を使って餌のコオロギを捕食するシーンを見ることができます!!

マダガスカルヒルヤモリ (Phelsuma madagascariensis madagascariensis)












マダガスカル島の固有種で、主な活動時間が昼の珍しいヤモリ。
昆虫などが主な食べ物ですが、果実や果汁も摂取するそう。
東山でも、果実代わりに専用のゼリーが置いてあります。

ミズオオトカゲ (Varanus salvator)












インドや東南アジアに広く分布するオオトカゲ。頭から尾までの長さは2mを超えることもある大型種です。この個体は、オスで、名前は甘太郎(かんたろう)といいます。
ペットとして販売されたり、飼育されることもありますが、大型で力が強く、安易に手を出してはいけない種です。
恐竜を思わせる迫力と、寝そべる際の愛らしい姿から、この個体を推している方もいらっしゃいます!

ギリシャリクガメ (Testudo graeca)












アフリカ北部、南欧、中東の地中海沿岸地域に生息するリクガメ。甲羅の長さは10数cm~30cmになり、リクガメの中では小柄な種。
かなり活発に動き、ゆっくりとした彼らのイメージを覆すほどです!
環境適応力が高く、小柄なためか、動物園よりも、一般の飼育者での飼育が圧倒的に多いです。(ちなみに私も自宅で飼育しています。)


リトルケイマンイワイグアナ (Cyclura caymanensis)












カリブ海に浮かぶ、リトルケイマン島固有のイグアナ。カリブ海周辺の島々には島ごとに固有のイグアナたちが暮らしていますが、ヒトが持ち込んだネコやマングース、ブタなどに食べられたり、開発などで生息地が減少し、どの種も絶滅が心配されています。
ここにいるのは、密輸で摘発された個体で、東山が受け入れて飼育しています。

オオアナコンダ (Eunectes murinus)












言わずと知れた世界最大級のヘビ。成体は主に水辺に潜み、そこにやってきた動物を捕食します。ここでもその暮らしを反映し、展示室内には大きなプールがあります!


東山ではまだまだたくさんの爬虫類や両生類が過ごしています!
お越しの際は是非自然動物館へ行くことをお勧めします。




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